あなたの会社・チームのエンゲージメントは下がっていませんか?エンゲージメントが低い組織の特徴と対応のポイントを解説

これまでに掲載したエンゲージメントに関するコラムでは、エンゲージメントの重要性やエンゲージメント調査結果の活かし方について解説しました。「エンゲージメントが大切なのはわかったけど、自分たちの組織はきっと大丈夫」と思っている人もいるでしょう。そこで今回は、エンゲージメントが低い組織に見られる特徴と対応のポイントを解説します。

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目次

エンゲージメントが低い組織の特徴を知らないと…?

企業経営や組織マネジメントにおいて“エンゲージメント”に注目が集まっていることは、これまでのコラムでもお伝えしてきました。「自分が所属する組織と自分の仕事に熱意を持って、自発的に貢献しようとする社員の意欲」という意味で使われ、個人の集合体である組織の状態を表す考え方として重要度が高まっているのです。

しかしながら、「組織状態は目に見えないからエンゲージメントが高いかどうかわからない」と考える人も少なくありません。コラム1では、エンゲージメント向上に取り組むメリットとして「生産性向上」「離職率低下」をご紹介しましたが、その逆である「生産性の低下」「離職率の上昇」という問題や課題が発生している場合には、エンゲージメントの低下が潜んでいる可能性があります。ですが、客観的に把握できる調査結果以外で、組織のエンゲージメントの状況を認識する術はないのでしょうか。実は、エンゲージメントが低い組織には、目に見える形で把握できる特徴があるといわれています。

そこで、エンゲージメントが低い組織に見られる特徴をご紹介していきます。

エンゲージメントが低い組織に見られる特徴

1:コミュニケーションが少ない傾向がみられる

エンゲージメントが低い組織では、日常業務の些細な部分にほころびが生まれてきます。最も目に見えてわかりやすい兆候は、コミュニケーションをとらなくなる社員が出てくることや、組織やチームでのコミュニケーションが少なくなることです。

たとえば、社員から意見が出てこなくなったり、それが組織に波及して、部署間やチーム間で情報が共有されにくくなったり、情報共有の仕組みはあっても一方通行で相互のやり取りができなくなったりします。何気ない会話がしにくい、従業員同士で活発に話す様子が見られないといった光景も、目にするようになるかもしれません。職場の雰囲気という目には見えない空気感の変化の裏側には、コミュニケーションが減っているという原因が隠れている可能性があるのです。

また、適切な人間関係もエンゲージメントに影響を及ぼします。チームに対する興味や貢献意欲が少なければ、人間関係を構築するモチベーションが下がり、コミュニケーションの意欲も減っていきます。チーム内での助け合いや声掛けなども含め、相互にサポートし合う様子が見られなくなっている場合は要注意です。

2:仕事への熱意が低い、生産性が低い

これは、特徴1で取り上げたコミュニケーションの減少と関連する特徴です。

エンゲージメントは、組織や企業に対する信頼や貢献意欲を含めた心理であり、多くの場合において仕事に対する熱意を示す指標にもなります。仕事への熱意が薄まることで、個々人の集中力が低下したり、手を抜いてしまう場面に繋がるかもしれません。それにより、業務遂行に必要以上に時間がかかって生産性が下がったり、仕事を進めてはいてもミスが多発したりといったことが増えていく可能性があるのです。

個人やチーム単位での生産性が低下した結果、企業全体の生産性低下から事業運営に悪影響を及ぼすようになる危険性があります。

3:新しい挑戦が生まれない

特徴1や2の結果、その組織では新しい挑戦が生まれないといった状況に繋がる可能性があります。仕事に対して消極的で貢献意欲が低い状態からは、新たなチャレンジやアイデア創出といったポジティブなアクションはなかなか出てきません。

日夜めまぐるしいスピードで社会環境が変化している今、挑戦を避け、保守的な姿勢のままでは、持続的な成長は見込めません。新しい挑戦に動ける人材こそが、組織の力を高める源泉となるのです。挑戦意欲の高い人が減ってきた、新しいアイデアが生まれなくなっていると感じることがあれば、組織のエンゲージメントが低くなっている可能性が高いです。

1〜3のような特徴が重なって見られるようになったり、長期にわたって改善されなかったりすると、従業員の帰属意識や貢献意欲はますます低下していきます。その結果、「会社のことはどうでもいい」と考える従業員が増えていく可能性が高まります。

ギャラップ社による調査では、日本企業の3人に1人が積極的に転職先を探すか、転職のオファーを待っている、すなわち離職を考えているという結果が出ました。もし、先ほど紹介した1~3の特徴が見られたら、離職という結果も招きかねない可能性があります。早急にエンゲージメント向上につながる手立てを打つ必要があるでしょう。

エンゲージメントの低下が疑われたら、真っ先に取組むべきこと

上記のような、エンゲージメントが低い組織の特徴を理解し、自分たちの組織が該当していると気づいた場合、効果的な施策を講じていくためにはどうしたらいいでしょうか。読者の方の中には、1on1や社内交流会の実施といったコミュニケーション施策など、まずは問題への直接的な対処に取り組むことを考える方もいらっしゃるかもしれません。

ここで重要なのは、まず定量的に組織のエンゲージメントの状態を把握し、結果を的確に評価しながら課題を理解し、エンゲージメントを高めるための打ち手を講じていくことです。
関連コラム:エンゲージメント調査の結果を活かすポイントを解説〜調べて終わりになってませんか?

施策として1on1を実施する場合にも、調査結果を踏まえゴール設定を実施した上での取り組みと位置付けることで、一過性に終わらず、具体的で継続的な行動に繋がるでしょう。組織のメンバーも、なぜするのか、なんのためにするのかといった必然性を理解し、一人ひとりが納得感持つことに繋がります。

調査をし、対策を実行し、その対策の成果を測るために再び調査をする。このサイクルを回し続けることで、チームをよくする発言や取り組みが増えるなど、“エンゲージメントが低い組織に見られる特徴”とは違う光景が広がっていくはずです。

エンゲージメント向上は、エンゲージメント診断から始まる

以上、エンゲージメントが低い組織の特徴と、それを打破してエンゲージメントを高める対応のポイントをご紹介しました。もしかしたらエンゲージメントが低下しているかもしれないけど、何から始めればいいかわからない。そんな企業には、エンゲージメント診断からスタートし、しっかりと要因を把握した上で対応策を講じていくことをおすすめします。

エンゲージメント向上は、ただ感覚的に状態を捉えるのではなく、数値化することで定量的に把握することが大切です。そして、ただ定量化するだけで終わるのではなく、結果をもとに、改善策を考え、実行に移すことも重要になってきます。

エンゲージメント向上に取り組みたい企業は、まずエンゲージメント診断から始めてみてはいかがでしょうか?

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